高野山などの水を紀伊水道に注ぐ有田川の見どころは中南大橋からの眺望、
あらぎ島展望所から望むあらぎ島、
蔵王橋付近の二川ダム貯水、
かなや明恵峡温泉付近の峡谷など、両側に山迫る峡谷を流れる水は毎日毎日休むことなく石や砂を山に押しやり、或いは谷を削り、山をそびえさせ続けている。澤が損し山が益する易経「41山澤損」日々損ずる道を見せている。
それは民と国との関係であり、民が損し支払った税にて国が益し、その益で国は山に植林し治水するようにインフラ整備、防衛、治安、消防、教育、法整備、社会保険、行政などを行い、民に恵みをもたらせる。民と国との損益は表裏一体なので、民の損は損では終わらず、損の中に益あり、益の中に損があるので、この損は民にとっての困難とは言えない。
自由体勢の国では、民と国との関係は損益だけなので、民は国に束縛されず、自由な発言、自由な表現、自由な移動、自由生活が送れる。しかし、洪水にて谷が削られすぎ沢が大損するように、国が増税を続け民に大損をかけ続けると、山崩れが起き、沢が埋まるように国がつぶれ、山と沢が無くなり損益関係が無くなり、民と国との関係がなくなってしまう。
民の能力を超えた増税、民が益さない支出、派手な国家儀式、官僚や政治家など国の上層部が横領など合理性のないことを行い続けると、山崩れのように革命や改革が起き、政府が崩壊し、国を生まれ変わらせる新政府が誕生する。歴史はこれを繰り返している。
現在、日本国民は政府の税の取り過ぎを問題視し、財務省解体を叫ぶデモを起こしている。国は民の収入の60%以上の税徴収を行っておきながら、嘘の税不足を叫び、更に国債を発行し、国民からの借金を増やしている。
日本国民のような勤勉者達から収入の60%以上の税徴収をしても支出を賄いきれず、更に国民からの借金を増やしている原因は合理性のない支出をしている以外にはありえない。
マスメディアは空白の30年と叫び、日本国民に問題があるような言い方をするが、日本国内でお金が十分に回らないのは、日本国民が使える金が自らの収入の30%台と少なすぎ、国は民から徴収した税の一部しか国内で使っていないことが原因だ。
消費税の徴収額の少なさを見れば、日本国内でいかにお金が使われていないか一目瞭然である。2024年、消費税徴収額は23.8兆円、日本の輸出額は107.879兆円で、輸出還付金はその10%以下、単純に10%を合わせても34.5879兆円しか消費税収入はなく、つまり345.879兆円しか年間国内消費されていない。日本の実質GDPが559.8兆円なので、単純計算すると日本国民が稼いだ559.8兆円の内、約61.78%しか国内で消費されていないことになる。実際には60%以下だと思う。
この消費額の中には国が民から借金して消費する額、外国人が使った金も含まれているので、日本人が稼いだ金銭の38.22%以上、40%程度が海外に移転していることになる。
このように30年にわたり毎年毎年、日本人が稼いだ金銭の3分の1以上、現在では4割ほどが海外流出し続けておれば空白の30年が起きて当然だ。海外流出した金銭の大半はアメリカに移転したと思うので、それを実行したのは日米合同委員会の指示を受けて仕事を行う財務省を筆頭とする各省庁だと容易に想像できる。日米合同委員会廃止デモ、財務省解体デモが起きて当然だと思える。
政府が日本人に60%を超える税収を実行し、その一部しか日本で使わず、税収の半分以上、国民が稼いだ4割ほどを海外流出させていることは、民に大損をかける行為であり、山崩れ、つまり現政権を崩壊に向かわせていると読める。損益は一体なので、上述のように谷を大きく削る損を民にかけ続けていると、山、つまり国が崩れることは自然の道理だ。国は民によって成り立っていること、政治家や官僚が考えるほど民は愚かでないこと、政治家や官僚達は民の税金で益していることを忘れているようだ。大きく見ればアメリカが30年以上にわたり日本に多額の損をかけ続けているということになり、このままでは日本がつぶれ、アメリカもつぶれてしまうことになる。住宅ローンを無理なく返済できるのは収入の25%以下と言われているように、日本国が収入の3分の1以上、4割近い金銭を流出させ続けていることは崩壊に向け進んでいることに他ならない。
もし日本で暴動やクーデターにて現政権が崩壊すると、アメリカ政権の崩壊に直結することだろう。日本の官僚が自らの地位と収入を確保するために要求を満足させ続け、日本国民に損をかけ続けることは、日本のみならず益するアメリカにとっても良い事ではない。両国の資本家を含む上層部共に自制が必要だと思う。
空白の30年が始まる以前の官僚たちは軍隊経験者達で団結心を持っていた。宗主国アメリカに対抗し、日本を完全な植民地にさせないため、東京一極を進め、関東の一部、沖縄、岩国、佐世保を除く日本全土をアメリカ軍の直接支配から逃れさせた。英語教育を骨抜きにして英文は読めるが会話ができない教育を施し日本人のアイデンティティを守った。戦後からしばらくして朝鮮戦争、ベトナム戦争、冷戦と軍需が続き、アメリカ市場の開放、為替の固定レートにて日本経済が飛躍的発展できたことも追い風となっていたが、軍隊経験があり、団結心を持った官僚達の退任とともに経済発展が止まり、空白の30年が始まったことから、現代の官僚に不足しているのは団結心と愛国心かも知れない。
損道を歩く基本、つまり国民が歩くべき損する道において国民が行うべきことは目立つことをやらないこと。できもしない大きな望みを抱かないこと。国の要求であっても自分の支払い能力を超えてまで損する政策を受けないこと。
自分ができないこと、能力を超えた要求を受けないこと。卑屈になって間違ったことを行わないこと。そして損益は一体関係にある正常で正しい道なのだから、正道を歩きつづけなければならないと易経は教える。何かを捨てれば何かを得ることができる自然の道理を信じ、国民は正しい損道を歩み続けるしかない。