企業も樹木と同じで成長限界があり、昇らなくなったら困に直面する。成長が止まると、気が通らず収益減少、資金繰り悪化、従業員減少、新製品開発遅れ、デジタル化遅れなどの現実と向き合うことになり、各役職者は苦闘することになる。「47泽水困」困卦が教える各役職者の困難を書き出した。写真は春から夏にかけて貯水を農業用に流すため秋に枯れたようになる寺ヶ池の風景を張り付けた。
企業が困ったことに直面した場合、解決当事者は社長、役員、ベテラン社員で、彼らの強気な仕事ぶりにて処置される。会長、部課長、一般社員は社長、役員、ベテラン社員にまとわり付くような立場になる。困難対処時の各人の働きにて、人柄が浮かび上がり、困難を脱した後、役職や人間関係が変化する。
会社が困難に直面したら、一般社員は、入社すべきでなかった会社に入社してしまった。入社時期を間違ってしまったと後悔してしまう。社内の混乱で、座る場所がなくなり、誰かにアドバイスを求めることが無意味となり、前途が真っ暗になる。仕事する気力を失い求職活動を行いたくなる。社内で座れる場所を見つけ直ぐに座っても、不当な扱いを受ける恐れ、危険な作業をさせられる可能性があり、休暇を取り、自己レベルアップのために学習し、会社が正常に戻るのを待つなどの逃げ対策が必要だ。
上司の指示を断れる立場なので、しばらくは自身の安全確保ができるが、その会社で勤め続けるのであれば、先輩のベテラン社員を頼り仕事に取り組むことになる。
ベテラン社員は最前線で働いているので、社内の皆から頼られ、必要とされる。上司の部課長は自身のために働いてもらうため、酒食などのもてなしをするので、身動きが取れなくなってしまう。多くの人に囲まれ、頼りにされるので独善的になる恐れがあるが、独り行動すれば失敗してしまうので、上司の指示を待たなければならない。ベテラン社員以上に身動きが取れないのは社長で、社長には全ての困った問題が集中し、そして社員全員の意見が集中する。多くの人から解決案を聞き、観察を行い、問題整理を行い、解決行動計画を練らなければならない。ベテラン社員と社長は、お互い孤立するような立場に立たされているので共感し合える。実際に最前線で行動するベテラン社員は自身が身動き取れるようにするため、社長にアドバイスを求め、社長を頼ることになるが、ベテラン社員の立場では出過ぎた行動が取れない、自主的に動くと社長に不安を抱かせるので、社長から声がかかり、指示があるまで動くのを控え待機することになる。
社長に援助してもらうためには公のため、会社のために尽くし、自身のためには仕事をしないと表明しなければならない。そして社長から任務が与えられ、困難解決を図る際には部課長、一般社員、時には役員と共に行動することになるが、ベテラン社員を囲む人たちは彼の成果を奪おうとし、或いは時には疑いをかける。社長の重い任務を達成するためには、誠意を持って正道を歩いていること、行動が合理的であることを皆に見せ続ける必要がある。任務達成ができれば社内の人々に喜んでもらえる。
企業が困ったことに遭遇した時、一番厳しい立場に立たされるのは部課長。最前線にて活躍しているベテラン社員と違い、中間管理職なので多くの部下を管理し、いろいろな仕事を抱えているためベテラン社員のような専門性を持たず、専門分野でベテラン社員の才能には及ばない。会長、社長、役員とは違い経営に関わる決定権を持たされておらず、社長、役員の指示を基に行動しなければならず、社長、役員に比べ人望に見劣りする。社内で一番目立つ場所に座らされ、更に日々、役員、社長から重圧を加えられ続けているので、針の山の上で仕事をしているような、厄介な立場となる。職場から逃げるように退勤し家に帰るも、妻が外出していた場合、孤独感が深まり更に辛い思いをする。何も良いことが無いと愚痴をこぼしたくなる。孤立の苦しみから逃れるため背伸びし、無理すると失敗する。会長に相談し、社長の意向や考えを教えてもらい、難を避け、上司の指示どおりに行動するしかない。
役員は上に社長が居るので、企業の困難に、ゆっくりと対処する。役員は社長から与えられた任務を執行する役割を持たされているので、それを本分と心得、余計なことにかかわらない。もし自身の功名心などで余計なことに関わってしまうと自らが困苦に捕らわれてしまう。誘惑が多い地位なので、私利、私欲にとらわれ公的な責任を失った行動を取ると社内から引退を求める声が上がってしまう。役員と相性の良い一般社員は企業の困難に面喰い、行動をためらっているが、自らを束縛する上司のベテラン社員を頼りにし、ベテラン社員の指示に従っている。しかし、目をかけてくれる役員の方がベテラン社員より頼りになることを一般社員は知っていて、役員に相談を持ちかける。
役員は一般社員に手を差し伸べたいのだが、ベテラン社員に阻まれ手が出せない。しかし役員が一般社員に手を差し伸べにくいことも理解してくれている。役員は社長から困難解決の指示を受けると、直属の部下である部課長に重圧を加えるが、なかなか問題が解決されず、更なる重圧を加えるようになる。よって、部課長は精神的に更に追い込まれる。それに対し、一般社員は役員が目をかけてくれているので、早々に精神的な重圧から脱却できる。社長から困難解決の任務を受けた役員は部課長と手を携え、困難解決の行動をし続けることになる。
社長は鼻を削がれ、脚を切り落とされるほどの困難に縛られる。社内を見渡すと会長や一般社員は困難に受け身で、社長の足を引っ張っているようにすら感じる。部課長は混乱し、行動がちぐはぐに見える。よって社長は肩書では解決できないこと、自らの考えを変えなければ解決できないことを思い知らされる。会長、社長、役員はいわば解決への計画を作り指令、指示を出す虚の世界にいる人達で、自らが実働して困難を解決する訳ではない。軍隊も困難を解決するのは兵を引き連れた下士官で、下士官は将官、佐官が作った作戦計画を、尉官を通し命令され、その命令を基に戦い困難な事態を解決する。よって、社長はベテラン社員に真心、正しい心で接し、助けてもらわなければならない。軍隊も同じで将官、佐官は武器を操作できないので前線で戦うことはできず、戦うことについて無力なので、将官は下士官に助けてもらわなければならない。
ベテラン社員は多くの上司や一般社員に縛られ身動きがとれない立場にいるので、社長はベテラン社員が活躍できるように庇護し、協力、援助することになる。社長、役員、ベテラン社員は困難な状況下では強気で事にあたる性質を持っており、ベテラン社員が社長の意思どおりに動けば困難が突破できる。社長は上層部の中心にいるので、偏った見解を持つと、解決案そのものが曲がってしまう。社長が激高すると社内のコミュニケーションが停滞しチームワークが崩れ、解決への動きが止まり、何一つ解決できなくなる。困難な緊急事態時において社長、役員、ベテラン社員が解決への目標、行動計画を共有し、共に誠心誠意、行動することで困を脱することができ、全社員で悦を得ることができる。社長は全社員に愛で向き合っていることを示すため、祭祀活動にて祈り、社員に食事をふるまい、社員に説話することで、全社員の心を一つにする福を得ることができ、解決へと前進する。
社員のすべての悩みが集中する会長は企業が困難に遭遇すると、蜘蛛の巣にからまった虫のように成すすべを失い、脱することができない立場に追い込まれ、苦難な日々を送ることになる。社員からは受動的で何もしない人に見えるが、何かをすれば後悔するような事態を引き起こす恐れがあり、社長、役員、ベテラン社員が一丸になって解決する様子を静観することになる。企業内すべての人の悩みが集中するポジションなので、社員には勇敢な姿を見せなければならないが飾るような言動を行うと災いを起こしてしまう。部課長の悩みの相談に乗り、社内に気が通るようにすることで困難を脱する援助力となることが一番の仕事になる。
易経は企業人が困ったことを解決することで、観察力、洞察力が増し、計画を立案し実行する能力が向上し、チームワーク力を増すことができると教える。困難解決は修養なので、人徳を増すことができ、道人になれると説く。困難を解決する過程で、人の真心を観ることができる。困卦の次には地下水を汲み上げるように人を抜擢する「48水风井」井卦が控えている。