海や湖を連想させる池、池を取り囲む築山は芝生や苔で覆われ地を強調している。海、湖、地は共に万物を生み出す源。築山上には生命が伸び伸びと育つ姿を見せるヒノキなどの大木群が控えている。庭中心石を取り囲む石々、更にその周りには龍の姿を連想させる連なった石々が配されている。池の中に潜む龍が、天の啓示を受け、風に乗り天に昇ることが連想させられる。庭を回遊しながら拝殿、本殿を拝せるので、神々の世界に隣接していることが実感させられる。規模の違いは有るが彦根城玄宮園に似た作りとなっているので、江戸初期に作られたのだろう。大木が池を取り囲んでいるが太陽光が差し込み明るい。入口を潜ると手前の島の祠、対岸の芝面の築山の奥に座る中心石とそれを取り巻く石々に心が引き込まれる。中心石側に回ると拝殿と本殿を借景にした美しい風景が楽しめる。人力では及ばない強大な神の力、自然の生命力を見せる庭だ。