三宮フラワーロードの裸婦像(2)

「湖風」太陽光の下、湖から陸に向かって吹く風にて裸体を冷やし、日光浴をしている。日焼けのせいか、目が輝いている。男に迫られている姿勢をしているが、乳首は陥没し、両足で陰部を塞いでいるので、男女の仲になるのをためらい、男の求めを拒んでいる。ギラギラした太陽の下、輝く世界の中に潜む心の闇と、暗い隠れた場所にて少女が成人になる麗美な姿を画いている。気が合った男女が愛し始めるのは自然だが、愛を育てるスタートはタイミングが合ってこそ、未熟成人でも、成熟成人でも流れやすい。「帽子・裸婦」心を揺れ動かすように脚を交差させ、不安定に立つ裸婦。他人の目を避けるよう帽子を深くかぶり、頭を少し垂れ、半目か目を閉じ、何かを心に問いかけている。独り立ちできるようになり、生涯で一番美しい時を迎えるも、成人女性の駆け出し時期はまだまだ未熟、第三者の束縛や制限を受け、自らの意思がなかなか世間に通らない。意中の人がいても思い通り恋を進められない。そのような不安、不満を抱え、自身の心に自分は何がしたいのか問いかけている。おしゃれは帽子のみ、綺麗な体と純真な心を裸にして自らと向き合っている。成人女性になったばかりなので、素直に自らの心と対面できるが、熟女ともなれば欲に振り回され、素直に自らの心と対面できなくなる。純真に自らの心と向き合える時期は生涯で一番幸せな時なのだろう。「WIND」素晴らしいプロポーションの成人女性が、つばの大きな帽子を被り、何かを指し示すようなポーズを取っている。美しいプロポーションなのに、より美しく見せるため目立つ帽子を被り、大きな動作をしている。成人として経験を積み、自らの意思で世間を渡れる実力を付けると欲が出て来る。より大きなものを得るため、或いは手が届かなかった男性の心を射止めるため、自らを目立たせる大胆な行動に出たのだろうか。何も身に付けていないので虚飾行為ではないが、生涯において最も美しい時、自らの美しさをより美しく見せようとしている。往々にして意中の男性は素朴で謙虚な女性を求めており、空振りとなりやすい。分をわきまえて、自身の能力の範囲内、身の丈にあった恋人を探すべきなのに、そして、内面も同じく美しくしなければならないのにと思ってしまった。結婚直前の男女は共に謙虚さが重要なので、WIND像の女性には謙虚さが必要なのだろう。「シオン」実力ある成人女性が虚飾、虚栄なく自然体で立っている。結婚し家庭を持ったが、経済的なことか、家庭内の人間関係なのか何か悩みを持っている。女性は困難に遭うと真っ向から立ち向かわず、先ずは自らの足元を固め、次いで実力者に助けを求め困難を乗り切ることが多い。この心の清い、良妻と見える女性はいかに足元を固め、誰かに相談しようか、或いは身内だけで解決しようか思案しているように見える。家庭内の問題は外から見えない。夫の浮気の場合、もし家族以外の人に頼り解決しようとすると問題が大きくなり解決は遠ざかる。身内の話し合いや調整であっさりと解決してしまうことが多いので、先ずは身内への相談が必要。長年、家を守っている良妻賢母は目に見えないところで実力を発揮する。シオン像の女性は聡明な顔つきなので問題を円満解決することだろう。