日本芸術会館の裸婦像

蕾のような少女、そして成人女性になる前後の若年女性を画いた作品展示が多く、主に親から愛を受け自我を確立させて行く少女の成長が見れる。成人になれば新しい家庭を作り、愛を生み育てる立場となるのに、愛を受けて育つ少女時代は両親に背を向け、両親から離れようとするも、両親に愛を求め甘え続ける。成人し新家庭を持てば母とはライバルとなるが、母と娘の心を通わせ合う仲は永遠に続く。「美人少女像」母親が仕事で忙しいのか、かまってもらえず孤独感を持ち、母への不満をつのらせている。驚くような行動に出て母に関心を持たせ、母の愛を感じたいと願うも、母を困らせたくない思いが驚きの行動に出るのを止めている。この少女はモデルとなり自らの想いを母に伝えた。母と一緒に暮らしていれば、母の愛を感じるチャンスが多いので不満は自然解消されるが、長く祖父母の家に預けられ、母との交流が止まると、不満が大きく蓄積し、娘は母に復讐のような反抗を繰り返すようになる。純白な子供心は二面性の無い親心を求めているので、親の顔が外と内とで大きく異なると大きな反抗を起こす。教員の娘は母が自分の子より他人の子に愛情を多く注いでいると思い込み反抗する。娘がコンプレックスを抱いた場合、自分に似た母に嫌悪感を抱き反抗する。酷い反抗は娘の成長を止めてしまうので、母と娘が向き合い多くの交流を行う必要がある。「みどりの椅子」植物に覆われたコンクリートブロックを椅子替わりにした少女が足を伸ばし裸足で座っている。子供のように夢中に水遊びをしていたが、休憩のため座ると、悩みを思い出し、思いつめたように一点を見つめ出した。親が自分を認めてくれないことに悩んでいるのか、或いはもっと深刻な親の離婚話、親の死別など、愛情を注いでくれている人がいなくなることへの不安な表情をしている。夢中で遊ぶことができる成長中の少女なので、何があっても成長は続くだろう。素直な顔をしているので、大きな愛を受けて来た、しっかりした家庭の娘のようだ。よって、問題が過ぎ去ると、形は変われども再び愛を受けられる環境へと移り、本人が母から学んだ道徳教育を基に道を踏み外すことなく成人へと進むことだろう。「若い女」少女が少し背伸びして成人女性のように振舞うも、成人女性へのハードルは高く、これから多くのことを学ばなければならないことに気が付いた。心が素直なので騙されやすく、背伸びの想いが強いので誘惑に引っ掛かりやすい。それらを跳ねのけるため理想とする成人女性や先輩少女を目標に学び、実力を付けなければならない。欲が芽生える直前ゆえに、欲に振り回されず考えることができ、素直に物を見ことができ、人の心を賢く見抜くことができる。そのような輝いた目をしている。「作品名不明像」背中に回したタオルを両手で持っている。どのような競技のスポーツ選手かわからないが、サッパリした顔つきなので練習、或いは試合後にシャワーを浴び、体を拭き終わった直後だと見て取れる。均整の取れた体つきから厳しい練習に耐えているアスリートで、精悍な顔つきから試合における熾烈な駆け引きを乗り越え、好成績を上げ続けていると読める。連日、厳しい指導と長時間の練習を乗り越えているが、好成績を上げられないと引退せざるを得ない。そのプレッシャーを相談できる人がいないようで少し寂しい顔をしている。鍛えているのは体だけではなく、自らの心に戦いを挑み、心も鍛え続けている。この年代に熱中できるものを持ち、日々、自らの生存をかけて鍛錬した人は成人後、群を抜いた実力者となる。「初夏」成人に近づいた少女が何か悩みを持ち、麦わら帽子を被り地面を見つめながら歩いている。学ぶべきことを学び終えた少女なので、社会人とのトラブルならば、愛らしい少女の振る舞い、柔軟なやり取り、相手の立場まで踏み込まない少女らしい言葉にて、たやすくトラブルを解決してしまう。母との対立より、成人女性になることを優先し始めたので、社会との接触が増え、社会に入るための悩みを抱えているのだろう。「髪を整える女」少女と成人女性が同居しているような年ごろとなり、少女の心と成人の心、両方をバランス良く使い分け学び、成人へ進もうとしている。まもなく自我を確立させ成人となるので、二つの心を使い分けることもなくなる。母に愛を求めることを卒業し、髪を整え意中の男性に愛を求める準備をしている。結婚を掴むため勝負に出る成人女性のポーズなので少女卒業と同時に結婚するつもりなのだろう。